2月のお茶会ふり返り

次のお茶会には何を飲もうか考えていた時は、春節(旧正月)が近づいていた頃でした。それで、春節のときに目にする「恭喜發財」(お金が儲かりますように、お金持ちになれますように)という言葉をイメージして「金色」のお茶会を企画しました。

お茶の名前に「金」の文字が入ったものを取り揃えてみました。でも、実施時にはすでに時期遅れの感があり。

金駿眉

福建省武夷山の紅茶です。産地は桐木関ですので、標高は1000mくらいでしょうか。

細かい芽の部分だけを使用した高級紅茶です。

水色は薄い山吹色

甘い香りと柑橘系の香りを少し感じますが、全般的に味わいが薄かったです。煎を重ねるごとに味わいは強くなりますが、甘みはなくなってきました。近々、別の金駿眉をご用意しますので口直ししてください。

本来、金駿眉は高級紅茶として名高いものです。有名な「正山堂」の金駿眉は「京東」(中国のネット通販大手)で検索すると50g980元。日本円にしたら2万円くらいの高価なお茶ですので、金の字がつくのも納得できます。

蓋碗130ml、湯温90度 お茶8g 、硬度70程度のミネラルウォーター使用

金芽紅茶

雲南省臨滄市の紅茶です。樹齢200年以上の古樹の新芽で作られています。同じ芽の紅茶でも、産地も品種も異なり、金駿眉とのサイズの違いに驚きます。

芽に生えている産毛が製茶時の茶汁で染まり、金色のゴールデンチップができます。雲南紅茶はこういうキンキラタイプが多いです。

金駿眉よりは濃い目の水色。

甘みが強く、オレンジのようなカカオのような香り。

蓋碗130ml、湯温90度 お茶7g 、硬度70程度のミネラルウォーター使用

阿里山金萱

金の字がつくお茶といえば、台湾茶の金萱。こちらは11月摘採の冬茶です。産地の標高は1600m。

冬茶は10月下旬から12月上旬に摘まれたお茶です。この後さらに発芽したもので作ったお茶は「冬片」と呼ばれますが、標高の高い産地だとそんな時期にはほとんど発芽しないでしょう。香りにくせのあるお茶の場合は、春茶より冬茶や冬片の方がくせが少なく、飲みやすいと感じられるかもしれません。苦手な品種は一度冬茶を試してみてはいかがでしょうか。

明るい黄色です。独特の強い香りがあります。

よく言われる乳香は余韻の中に感じます。煎を重ねるごとに乳香が強くなりました。

蓋碗130ml、熱湯 お茶8g 、硬度70程度のミネラルウォーター使用

金不換

武夷岩茶のひとつです。あまり聞かない希少品種ですが武夷山の伝統品種です。

味わいは岩茶らしい飲みごたえのあるお茶でした。

今回のお茶の中では最も濃い水色です。

香り、味、余韻がバランスよく、煎を重ねてもヘタらない力強さがあります。

蓋碗130ml、熱湯 お茶7g 、硬度70程度のミネラルウォーター使用

4種類の「金」の字を持つお茶。今回はすべてのお茶をそれぞれ別のお店で調達しました。色々な場所から多くの人の手を経て手元に集まったお茶を見ると、感慨深かったです。

久しぶりに自宅用のお茶を上海の馴染みのお店に注文しました。お茶は値上がりしていなかったのですが、円安がなんとも痛い。EMSでお願いしたので送料は267元もかかりましたが、何と4日で手元に到着!もう物流は心配ないようです。

来月は久しぶりに日本のお茶を特集します。ご参加お待ちしております。

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