5月のお茶会ふり返り

本格的に暑くなる前に武夷岩茶の飲み比べをしました。
茶葉を見ただけでは違いはわかりません。

黄観音
水金亀
大紅袍

黄観音・・鉄観音と黄旦(黄金桂)の交配品種

水金亀・・四大岩茶のひとつ

大紅袍・・四大岩茶のひとつ 奇丹品種のもの(比較でブレンドのものもお出ししました)

最初に武夷岩茶についておさらいしました。
福建省北部武夷山の風景区、岩山が崩れた砂礫質土壌で作られた烏龍茶。
発酵・焙煎高め、条型の茶葉です。
産地によってランク分けされており、有名産地、特に三坑両澗のものは高く評価されています。

黄観音

1998年に登録された品種です。鉄観音と黄金桂といえば閩南烏龍の代表品種ですが、それらを交配したものです。最近人気が出てきており生産量が増えている、と中国のお茶のサイトに書いてありました。

似たような品種に金観音があります。こちらも鉄観音と黄旦(黄金桂)の交配。
さらに黄玫瑰という品種もあります。こちらは黄観音と黄旦の交配。

黄観音と金観音では黄観音の方が香りが強く、父親である黄旦似といわれます。
でも今回の黄観音はフローラルな香りは控えめ。飲んだ後の余韻にほのかな花香を感じる程度です。中火焙煎の正岩茶らしい味わいでした。

蓋碗110ml、水温 熱湯、お茶5g 、1回洗茶 (バナジウム入り天然水使用)
1煎目10秒、2煎目10秒、3煎目20秒

黄観音

水金亀

武夷山 の四大岩茶の一つです。四大岩茶とは大紅袍、鉄羅漢、水金亀、白鶏冠。とはいえ、大紅袍以外のお茶はあまり見かけません。水仙、肉桂ほど量産されているわけではありません。

こちらも中火焙煎の正岩茶です。フルーティな香りがあり、柑橘っぽいと表現される方もいらっしゃいました。黄観音より余韻が長く続きます。葉底(茶殻)はやや緑色を帯びていまして、焙煎は弱めのようです。飲みやすい美味しいお茶でした。

蓋碗110ml、水温 熱湯、お茶5g 、1回洗茶 (バナジウム入り天然水使用)
1煎目10秒、2煎目10秒、3煎目20秒

水金亀

大紅袍「奇丹」

大紅袍はいくつかの品種をブレンドしたものが主流です。どの品種をどのようにブレンドしたものか、また焙煎の強弱により、味わいが大きく異なります。自分好みの大紅袍のメーカーやブランドを見つけることが大切だと思います。

これはブレンドしていない、ひとつの品種で作られた大紅袍。
「奇丹」という品種で作られています。
このお茶は三坑両澗のうちのひとつ、慧苑坑(けいえんこう)で作られたものです。三坑両澗は地質や日照条件などが揃っており、最高の岩茶ができると言われている場所です。

飲んでみると非常に透明感があります。初めはカカオのような甘みを感じ、煎を重ねるうちに、若草のような味わいも。それを生のピーナッツの味、と表現された方もいらっしゃいました。大変すっきりとしており、洗茶しなくてもいいかもしれません。

葉底がつやつやで美しいです。まだまだ飲めます。

蓋碗110ml、水温 熱湯、お茶4g強、1回洗茶(バナジウム入り天然水使用)
1煎目10秒、2煎目10秒、3煎目20秒

奇丹

比較のためにブレンドの大紅袍も飲みます。

大紅袍重火

こちらは重火で、しっかりとした味わいです。
茶葉が崩れている部分がいつもより多いのは焙煎を何度もかけているからですね。味と香りのバランスがうまく取れています。

火香は落ち着いていますが、どっしりとした味わい。
奇丹とは全く違うのに、どちらも大紅袍という名前で売られている状況を確認してもらえたと思います。

さすがに岩茶ばかり飲み続けると、少し飲み疲れます。でも普段からコーヒーを飲んでいる人は、岩茶にも耐性があるのか全然平気と個人差も大きいようです。
重火の岩茶は特にヘビースモーカーの方に好まれるといいます。岩茶もお酒やタバコのように、ひとつの嗜好品として確立しているのだなあとしみじみ感じました。(お値段的にもね 笑)

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