4月のお茶会ふり返り

コロナが収束し切らず、ウクライナ侵攻、上海のロックダウン、大幅な円安と私にとっては落ち着かない気分の4月でした。個人的に飲むお茶は上海から送ってもらっていますが、ロックダウンが長引いて、お茶が手に入りません。そんな時期だからこそ、お茶会でおしゃべりして、お茶を味わう時間は気分転換になり本当にありがたいです。

4月は、品茗杯と聞香杯を使用して台湾烏龍茶を飲むお茶会でした。

梨山高山茶
貴妃茶
木柵鉄観音

梨山高山茶特級・・梨山茶区の清香型烏龍茶

貴妃茶・・ウンカの虫害にあった茶葉を使用した蜜香烏龍茶

木柵正叢鉄観音・・伝統的な発酵、焙煎が施された鉄観音茶

梨山高山茶特級

高山茶は標高1000m以上の場所で栽培されたお茶を指します。梨山は阿里山や杉林渓よりも標高が高く、土壌も砂礫質。美味しいお茶の産地として有名です。特級といってもお店の品揃えの中での位置付けで、業界の明確な基準はではないです。

煎が効き、葉底(茶殻)がとても柔らか。
香りは、木に咲く花(沈丁花?)、蘭、乳香という感想をいただきました。
茶海に残る香りはミルキーな香りでした。

蓋碗110ml、水温 熱湯、お茶5g (バナジウム入り天然水使用)
1煎目60秒、2煎目20秒、3煎目30秒

貴妃茶

ウンカの虫害にあったお茶といえば東方美人が有名ですが、東方美人は小さな新芽と若葉だけで作られています。この貴妃茶は一般的な烏龍茶と同様の 1芯3,4葉のお茶。金萱品種で作られています。

香りは蜜香、味わいも甘く東方美人的です。
ですが収斂感、黒胡椒のような刺激を感じる方もいらっしゃいました。
またジャスミンのような余韻、あるいは飲んだ後しばらくたってもなお、甘い余韻が続くとの声も。

煎を重ねるごとに水色(すいしょく)が濃くなっていくところが東方美人と似ていると思いました。

蓋碗110ml、水温 熱湯、お茶5g (バナジウム入り天然水使用)
1煎目 60秒 2〜3煎目30秒

木柵正叢鉄観音

木柵地区で作られた鉄観音品種の鉄観音です。台湾では鉄観音品種でなくても鉄観音と名乗っているお茶があります。鉄観音品種で作られているものには「正叢」の文字がついています。

鉄観音といえば、福建省の安渓鉄観音が有名ですが、元々は安渓から苗と製法を台湾に輸入したそうです。そのころの伝統的な製法を今も守っているのが台湾の鉄観音。一方、安渓では清香タイプが主流になってしまいました。

重発酵、複数回の焙煎を施したこちらのお茶は、ガツンと強い味わい、しっかりした香ばしさを感じます。具体的にはナッツや焼栗、玄米など色々な意見をいただきました。なかには、雨に濡れた犬の匂い(小型犬ではない)と評された方も。残念ながら私にはわかりませんでした。でも果物のような甘い余韻の奥でちょっと野生的な感じもあるので、そこが犬なのでしょうか。奥深いです。

非常に煎が効きます。

紫砂壼100ml、水温 熱湯、お茶4g (バナジウム入り天然水使用)
洗茶1回 1煎目 40秒 2〜3煎目20秒

以上の3種類のお茶はいずれも台湾の烏龍茶ですが。それぞれ味、香りのタイプが異なります。3つのうちどれが一番好きですか?と尋ねても、好みは見事に分かれました。

今回は台湾の茶業改良場のウェブサイトにある、台湾茶フレーバーホイールを見ながら、参加者の皆様に味や香りを言葉で表現していただきました。味や香りを他のものに例えるという作業はなかなか難しいですね。でもそのおかげで面白い(失礼)表現をいただくことができました。またやりましょう。

聞香杯の使い方、いつか気軽に台湾旅行に行けるようになるまで、覚えておいてくださいね。

コツはただ一つ、聞香杯で飲まないで!

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