3月のお茶会ふり返り

随分と暖かくなりました。感染症も少し落ち着いてきましたが、相変わらず少人数のお茶会を実施しております。3月は茶種を限定せず、緊圧茶縛りでのお茶会でした。

緊圧茶といえば、餅型、お椀型、きのこ型(中国では心臓型といいますが)、レンガ型、柱のように大きいものなどいろいろあります。

今回のお茶はこんな形でした。

普洱生茶巴達・・ミャンマーとの国境の近い産地巴達の普洱生茶 <餅型>

雲南白茶・・雲南省の大葉種で作られた白茶 <葉っぱ型>

漳平水仙・・福建省漳平市で作られた水仙種の烏龍茶 <方形>

普洱生茶巴達

100gの小餅です。まずは普洱刀で餅をほぐすところから行っていただきました。今回も普洱刀の代用品「千枚通し」を知っているか否かで世代間格差が発生(笑)。どなたでもご存知の言葉で言い直しますと、普洱刀は「アイスピック」で代用できます。

普洱生茶

石の重しで緊圧をかけているとのこと。緊圧の状態は比較的緩やかで、ほぐしやすかったです。2017年のお茶なので熟成は完全ではありませんが、渋みは強くありませんでした。

洗茶を2回行いました。その後の1~2煎目は優しい味。干し棗のような香りです。3煎目で苦味が出てきました。苦味がやがて甘さに変わる・・とはいかなかったです。

蓋碗110ml、水温 熱湯、お茶5g (バナジウム入り天然水使用)
洗茶2回 1煎目20秒、2煎目10秒、3煎目10秒

雲南白茶

葉っぱの形に固められた可愛らしいお茶です。見たところ白い産毛もあり悪くなさそうです。1つ7g程度で強く緊圧されています。

淹れてみたら甘い香り。味わいにもたっぷりと甘みが出ていました。紅茶のようだ、とのご意見多数。茶水の色も紅茶そっくりでした。3煎淹れても茶葉がまだ解れきれていなかったので、まだまだ淹れられます。

蓋碗110ml、水温 熱湯、お茶5g (バナジウム入り天然水使用)
洗茶1回 1煎目20秒 2〜3煎目10秒

雲南白茶

漳平水仙 2種類

方形に緊圧された烏龍茶で、ひとつ8~9g程度。木型で固められており、緊圧度合いは緩やかです。炭焙煎の有無で2種類飲みました。

焙煎なし
焙煎あり

焙煎のないタイプ(清香型)は花の香りで、滑らかさを感じる茶水。「鉄観音みたい」と形容された方もいらっしゃいました。煎も効いておいしいお茶です。「無農薬だからおいしい」というご意見もありました。確かに無農薬はポイント高いです。「クリーミー」とか「乳香を感じる」という感想もいただきました。

炭焙煎タイプは強い火の香りはなく、飲みやすい適度な焙煎です。甘い香りが口に残り、ほっこり感のあるお茶でした。「日本人に馴染みのある烏龍茶だ」というご意見をいただきました。焙煎された水仙ですからごもっとも。

蓋碗110ml、水温 熱湯、お茶5g (バナジウム入り天然水使用)
洗茶1回 1煎目 20秒 2〜3煎目15秒

漳平水仙も、3煎では葉底(茶殻)にかたまりが残っていて全部ほぐれていませんでした。もったいないので、お茶会の後に続きを飲みましたが、6煎淹れてもまだ飲めそう。

漳平水仙の茶殻

3月は香港に長期間在住経験のある方にご参加いただきました。民主化デモの際には怖い思いをされたそう。お茶は日常的に普洱茶(熟茶)を飲まれていたので、生茶は初めてとのこと。食文化の違いなどもっとお話しをお聞きしたかったです。

別の回では、有名な超高級中国茶販売店の岩茶肉桂をお持ちいただきましたので、皆様と試飲しました。茶葉が2g程度でしたので、お湯の量も減らして少量だけ飲んだのですが、驚くほどしっかりした香りと味。ちょっとスパイシーで余韻が素晴らしかった。日常的に飲めるお茶ではないので、ありがたくいただきました。

こうして呑気にお茶を愉しめる環境に感謝して、来月の準備をいたしましょう。

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