名古屋市の生涯学習の仕組みのひとつである「なごやか市民教室」の講師を務めさせていただいております。
第2回は大陸の紅茶と烏龍茶を試飲していただきました。今回は説明少なめ、試飲多めです。一人で3卓お茶をお淹れしたので少し慌ただしかったのですが、お淹れしながら参加されている方々とお話ができたので楽しかったです。
試飲していただいたのは、古樹滇紅、安渓鉄観音、大紅袍、鳳凰単叢です
古樹滇紅
雲南省のシーサンパンナ(西双版納)タイ族自治州で作られた紅茶です。滇紅の「滇」は雲南省を表します。教室開始と同時にお茶を配りましたので、ご参加の皆様は茶葉をご覧になってないのですが、こんな感じでした。
雲南省の紅茶の茶葉は、このように大きくて金色のタイプのものをよく見ます。樹齢は300年経ているとのこと。
この日も極寒で、あっという間にお茶が冷めてしまいましたが、香りは感じていただけたようです。
雲南紅茶は甘さが強いものが多いのですが、この紅茶は甘さだけでなく、ちょっと複雑な厚みのある味わいでした。熱々だったら、もっと余韻を感じていただけたのではないかと思います。
安渓鉄観音(清香)
「烏龍茶には清香と濃香があります」と説明をして、清香の代表としてこの安渓鉄観音をお飲みいただきました。
発酵、焙煎が弱めで、青々としています。閩南で生産される烏龍茶はこのように丸まった形に成形されているものが多いです。
茶水の写真は別日に撮りました。水色(すいしょく)も緑茶のようです。
渋みは少なめで、余韻を感じていただいたようです。鉄観音の余韻を「音韻」といいます。
大紅袍
武夷岩茶のひとつ、大紅袍。焙煎弱めの軽火タイプです。冬場はしっかり焙煎をかけた重火もおいしいのですが、初めて飲む方には刺激が強すぎるかと思いまして。
お茶を淹れている時から、立ち上る香りにうっとり。
茶水の色は淡めです。この色をみて、焙煎弱めと見抜いた方がいらっしゃいました。なかなかやりますね。
ずっとお茶の感想を集計していますが、このように数値が大きいものはあまり見ないような気がします。さすが武夷岩茶。そして参加の皆様の味覚の鋭さも。
鳳凰単叢蜜蘭香
広東省潮州市の烏龍茶、鳳凰単叢です。香型は蜜蘭香。具体的な樹齢は聞いてないのですが、お茶の袋には老叢と書き込まれておりました。鳳凰単叢の場合、老叢は樹齢50年以上でしょうか。
武夷岩茶より細長い形状です。茶葉が長いので、くずさないように小分け容器に入れるのが大変です。
水色(すいしょく)は軽火の大紅袍よりさらに淡く、薄いオレンジ色。
香りの強さは感じていただけたようです。私は柑橘っぽい香りも感じました。こちらの単叢は入門編ですので、これから色々と飲み進めていただくと楽しいと思います。
他に持ち帰り用として、武夷紅茶の金駿眉をお渡ししました。こちらは最高級ランクのものではありませんが、お湯の温度を少し控えていただければ、おいしく入ると思います。
来週は最終回。台湾茶をお飲みいただきます。