11、12月 お茶会ふり返り

紅茶特集でした。寒くなってきましたので、紅茶を飲んで温まります。和紅茶、台湾紅茶、武夷紅茶、それぞれ違う品種です。どれも全く違う味わいの紅茶でした。

上段 左より ももかプレミアム、Citrus scent
下段 左より 紅玉、正山小種

水色の写真は、影が写り込んでしまいましたので省略させていただきます。
今回から味わいのチャートの表示形式を変更しました。

ももかプレミアム2022 SF-6F

和紅茶の有名な作り手である、静岡県島田市、井村園さんのももかプレミアムです。品種はべにふうき。べにふうきは日本の品種で、アッサム種とダージリン種の交配です。べにふうきは花粉症の症状を抑えるとされていますが、紅茶にすると成分(メチル化カテキン)が分解されてしまいます。花粉症を抑える目的でしたら、べにふうきの緑茶を飲みましょう。ただ、ちょっと飲みにくいかも。渋み強めです。

セカンドフラッシュらしい、綺麗な赤色の水色でゴールデンリングも見られました。桃の香りで「ももか」と名付けられたと言われますが、今回、桃は感じられませんでした。ウンカの加害を受けているとのことで、甘い香りがあります。コクも強くて飲みごたえがあります。

試飲の時に水道水を使用しましたところ、渋みが出てしまいました。普段中国紅茶ばかり飲んでいるので渋みに慣れておらず、お湯の温度や抽出時間を工夫して、渋みを抑えました。でも硬度高めのミネラルウォーターで同じように淹れると、うす〜い味になっていまい、水の違いでこんなに味が変わるんだ、とあらためて驚きました。

茶底(茶殻)を見ると適度に切断されているのがわかります。

鑑定杯150ml、湯温95℃ お茶3g 、硬度70程度のミネラルウォーター使用

Citrus scent

こちらも井村園さんのお茶です。品種は中国種、ということですが在来種でしょうか。発酵浅めで、乾茶の状態では烏龍茶に見えます。このお茶は渋みがないので、硬度低めのお水で香りを引き出すようにしてみました。

遠くにミカンの香りを感じるとのご意見がありましたが、ももかに比較すれば香りは控えめでした。ファーストフラッシュのお茶なので、あっさりとした味わい。

茶底(茶殻)を見ても烏龍茶にしか見えませんね。でも紅茶製法で生産されていれば紅茶です。

鑑定杯150ml、湯温熱湯 お茶3g 、硬度30程度のミネラルウォーター使用

紅玉紅茶

台湾紅茶。紅玉は品種の名前です。有名な産地は日月潭ですが、これはは坪林産です。

紅玉はメンソールの香りと言われます。参加された方の中には、「昔の湿布の香りがする」と言われる方もいらっしゃいました。メンソール感は2煎目が一番強い派と3煎目が一番強い派に分かれました。

紅玉は台湾で交配された品種ですが、アッサム種に分類されます。こちらも水道水で試飲したときには、特に2煎目に渋みがありました。でも硬度が高めのミネラルウォーターだと渋みなし。水の力恐るべし。

蓋碗110ml、熱湯 お茶6g 、硬度70程度のミネラルウォーター使用

正山小種 特級

夏に北京に転居されたTさんにいただいたお茶で、THE BARNというお茶屋さんのもの。中国らしい色合いの缶入りです。

Tさん、みんなで美味しくいただいてます!

別名ラプサンスーチョン。世界で初めて作られた紅茶がこの正山小種と言われています。

こちらは中国国内で購入されたものと思われますが、輸出品のような燻香のあるお茶です。お茶製造時の乾燥工程で、武夷山に自生していた馬尾松(台湾赤松)を燃料にして作ったのが始まりとされています。中国国内ではこのような燻香のあるものより、「無煙」とか「原味」とか呼ばれる、スモーキーでないものが一般的。

こちらも茶底(茶殻)を見ると、切断されていることがわかります。
蓋碗110ml、熱湯 お茶6g 、硬度70程度のミネラルウォーター使用

このお茶のスモーキーフレーバーは強くなく、お茶そのものの美味しさもあって、「これが一番好き」と言われる参加者もいらっしゃいました。みんな「茶飲み」の舌になってきたのかな?次はプーアル茶を好きになってほしいです(切望)。

紅茶といえば、リプトンのティーバッグの味に慣らされていますが、あらためてその多様性を感じていただけたと思います。また、和紅茶の評価は世界的に高まっており、日本の各地で独自の紅茶が生産されています。紅茶はこれからますます面白くなっていきそうです。

WordPress.com で次のようなサイトをデザイン
始めてみよう