〜3月のお茶会振り返り & なごやかにお茶勉強会12〜
3月は普洱茶の飲み比べを実施しました。以前からお茶会にお越しの方々からは普洱茶は苦手・・といわれますので、普洱茶だけのお茶会は避けてきました。でもたまにはやらねば、という私の勝手な使命感から実施しました。
結果、やはり日進のお茶会の方は参加者少なめでした。勉強会の方々はいつも通り参加してくださいましたので、熟普と生普の違いを復習してからお茶を飲みました。
今回のラインナップは・・
陳年普洱熟茶
産地は雲南省臨滄市。雲南大葉種の1芯3葉の熟茶で3年保存されたものです。先月飲んだ紅茶メーカー正山堂で販売しているものです。
茶葉は小さく切断されたような状態です。
数秒で出してもこの水色。
葉底(茶殻)は真っ黒。つやもあります。
中村:蓋碗90ml、水温 熱湯、お茶5g 、洗茶、硬度50程度の天然水
星1~5で評価、★は人数です。
評価 1
評価 2
評価 3 ★★
評価 4 ★★★★
評価 5
平均 3.7
くせのない飲みやすい熟普でした。
陳年熟普狗头金
産地は臨滄市孟庫鎮。こちらも正山堂で販売しているものです。狗头金とは中国で産出する不純物の多い金の塊のこと。犬の頭のような形をしているためこのような名前がついているようです。大きな塊が採掘されるとニュースになるのだとか。
熟茶を製造する中で「渥堆」という工程があります。茶葉を1.5~2mくらいの高さに積み上げ水をかけます。その状態で時々かき混ぜながら1ヶ月ほど後発酵させるのですが、その時にお茶の一部が固まってしまうことがあり、その部分を茶頭といいます。希少な茶頭という意味で狗头金という名前をつけているのでしょう。
1芯3葉で7年保存されたものです。
塊は1.2cmくらい。匂いが鼻につくので、念入りに洗茶しました。この匂いを「干物の袋を開けた時の匂い」と形容された方も。どことなくタンパク質を感じさせる匂いでした。
コーヒーのような水色ですが、透明感はあります。
茶殻はピントが合ってなかったので省略しますが、4〜5煎では茶頭の塊はまだほどけていませんでした。
蓋碗90ml、水温 熱湯、お茶7g 、洗茶2回、硬度50程度の天然水
星1~5で評価、★は人数です。
評価 1
評価 2 ★
評価 3 ★★★
評価 4 ★★★★★
評価 5
平均 3.4
洗茶のときは匂いがあると思いましたが、飲んでみるとくせがなく、さらさらと飲めるお茶でした。
十年陳生普洱龍珠
産地は臨滄市孟庫鎮。こちらも正山堂で販売しているものです。
渥堆をしていない生普洱茶です。1回分がまとまっている計量不要な固形茶。でもこのようなお茶は細かく崩れたクズ茶を固めて販売していることもあるので要注意です。
直径2cmくらいの球型
氷島の100年以上の古樹の春摘み1芯3葉を使用。10年保存。
明るいオレンジ色の茶水です。煎を重ねるごとに渋みが出てきます。香りは甘い蜂蜜のよう。茶杯の残った香りも甘いです。生津感(つばがでてくるような感じ)ありました。
こんなにたくさんの茶葉が、あんなに小さくまとめられていたとは驚きます。
茶壷150ml、水温 熱湯、お茶1個、洗茶、硬度50程度の天然水
星1~5で評価、★は人数です。
評価 1
評価 2
評価 3 ★★
評価 4 ★★★★
評価 5 ★★★
平均 4.1
洗茶の後の1煎目が特に美味しく甘く感じました。
十年陳生普洱茶
産地は臨滄市孟庫鎮。こちらも正山堂で販売しているものです。ひとつ前の龍珠と同様に、氷島の100年以上の古樹の春摘み1芯3葉を使用。10年保存です。
生普のはずですけど、散茶???
茶水は黄金色。透明感があります。こちらも生津感(つばがでてくるような感じ)がありました。渋みは一つ前の龍珠よりおだやかですぐに消えていきます。ほんのりと甘味も感じます。
茶壷150ml、水温 熱湯、お茶1個、洗茶、硬度50程度の天然水
星1~5で評価、★は人数です。
評価 1
評価 2 ★
評価 3 ★
評価 4 ★★★★★★★
評価 5
平均 3.7
もう少し渋くてもよいかも、という声もありました。余韻を感じるおだやかな普洱茶でした。
陳皮熟普洱茶小青柑
広東省江門市新会の青柑に熟普洱茶を詰めた再加工茶。中の熟普は氷島産の十年熟普です。
直径3cm以上あります。ちょっと大きめの小青柑です。
茶水は濃いめのオレンジ色。
蓋碗90ml、水温 熱湯、お茶1個、洗茶、硬度50程度の天然水
星1~5で評価、★は人数です。
評価 1
評価 2 ★
評価 3 ★
評価 4 ★★★★
評価 5 ★★★
平均 4.0
みかんの爽やかさと温まる熟普の組み合わせで、ゆずのお風呂に入っているみたい、とのご意見。柑橘の香りと舌に残る皮の渋みをしっかりと感じました。美味しかった。
10年保存の氷島生普は刺々しさがなく、とても飲みやすかったです。飲み込んだ後から渋みが甘さに変わる普洱茶特有の回甘はあまり感じられませんでした。まだ寒い今の時期は、熟普の方がおいしく感じました。熟普ならいくらでも飲めるような気がします。体が温まりました。
お茶請けに「いぶりがっこチーズ」を差し入れていただきました。普洱茶の渋みでチーズが甘くなり、なかなかのペアリング。チーズが合うのかいぶりがっこが合うのか、どちらも合うのか、今後解明が必要です(まじめに)。昔から漬物をお茶請けにしてきましたからね。
来月のお茶会、勉強会はお休みです。5月は花茶特集の予定です。ご参加お待ちしております。